インドネシアのジョグジャカルタ特別州 Gunung Kidul県 Panggang市 Girimulyo(ギリムリョ)村に5000Lサイズの雨水貯水システム“GAMA-Rain Filter” ※(GRFシステム)を計7台設置しました。
GRFシステムは電気を必要とせず、簡易的な3つのフィルターで雨水を浄化・貯水するシステムです。
2024年初めに、パートナーのGIBと共に、インドネシア各地で既に雨水貯水システムが導入された世帯の水活用に関する実態調査と、その結果解析を行い、今後の支援地域と活動内容を検討しました。
7月に、支援候補地のGunung Kidul県Panggang市Girimulyo村に財団メンバーとGIBスタッフが現地視察を行い、家庭訪問による更なる実態調査や、関係者を集めた活動説明会を行いました。
パートナーのGIBの代表者と、支援候補地および活動内容について合意
この地域は石灰岩の山岳地帯であるため、降った雨が地下水として貯まることがなく、水道のアクセスも限られています。そのため、昔から雨水に頼った生活をしており、30年ほど前に政府の支援により設置されたコンクリート製の雨水貯水タンクに雨水を貯めて利用しています。
しかし、建設から数十年経過したタンクは、浄水システムが備わっておらず、老朽化し屋根から取水する際の雨樋も錆びています。雨水を効率的に貯めることができず、水質にも課題があります。さらに、貯水タンクを持っていない世帯もあり、日々の生活水はご近所から分けてもらったり、民間業者から水を購入しなければならないのが現状です。
約30年前に政府から支援されたコンクリート製の雨水貯水タンクには浄水システムがなく、老朽化
そこで、主に公共利用を目的とした公民館や複数の世帯が使用できるエリアに5000LサイズのGRFシステムを設置することを決定しました。GRFシステム設置にあたっては、今まで現地の方が直面している水課題の調査や日常で使用している生活水の水質検査に加え、現地住民の方々向けに設備の使用やメンテナンスに関するマニュアルづくりも行いました。
10月には支援候補地のGirimulyo村に計7台のGRFシステム(5000Lサイズ)の設置を完了しました。現地での設置工事はGIB指導の下、村内で工事経験や知識のある住民の方々にご協力いただくことで一時的な現地雇用の創出にも繋がりました。
写真1:雨水貯水タンクの設置は、GIB指導の下、村の中で工事経験や知識のある住民の方が行いました。(GIBメンバーと設置に携わった方々)
写真2:雨水貯水タンクを7台設置したGunung Kidul県Panggang市Girimulyo村
11月、財団メンバーが再度現地を訪れ、GIBメンバーと共に設置セレモニーを開催し、来期に向けた活動についても協議しました。セレモニーには村長をはじめ、市や県の公共事業を担う部署のリーダーの方々にもご参加いただき、沢山の感謝の言葉をいただきました。参加者の皆さんと今後の更なる連携に向けた話し合いを行い、交流を深めました。
設置セレモニーに参加した村長や市・県の公共事業を担う部署のリーダー、GIB、財団メンバーと住民の方々
写真1:雨水貯水タンクのメンテナンス方法を確認する財団とGIBメンバー
写真2:雨水貯水タンクが設置され、共同で使用する予定のご家族と一緒に
写真3:近くの幼稚園からお祈りを終えて雨水貯水タンクの水で手を洗うこども